上述のように、非独占アクセス・ポリシーは、第三者との間における知的財産紛争を抑止することは難しい。そこで、ファイザーは、リサーチ・ツール・ウェブ(www.research-tool.info)という手法を編み出した。ここでは、いろいろなリサーチ・ツールに関する情報が提供され、研究者が望むリサーチ・ツールを検索し、そのライセンスが容易に締結されるように設計されている。もし、このサイトに全世界のリサーチ・ツールの大半が登録され、適切かつ合理的な対価でライセンスされるようになれば・・・、このサイトが世界の知の増進に貢献することは間違いない。
このようなウェブサイトは、NIHの定めたリサーチ・ツールの活用に関するガイドラインと共に大きな影響を及ぼすこととなろう。日本政府としても、日本の研究者のためにも、このようなウェブサイトに協力し、リソースの提供を検討すべきではないだろうか。理研や産総研が協力すれば、きっと強力なウェブサイトになるものと思われる。
いずれにしても、知的財産権はツールであり、目的ではない。目的はあくまで研究の促進とイノベーションの推進である。知的財産権ロイヤーも研究の促進を第一義に、常々、活動したいものである。