― 他の米政府の機関は、外部への研究資金提供の際、NIHのライセンス手続きに従っていますか。
Dr. Rohrbaugh:
バイオメディカル研究に資金を拠出しているもう1つの主要機関は、全米科学財団(National Science Foundation)です。同財団は、科学と工学の幅広い分野に資金を提供し、リサーチツールに関するガイドラインを受け入れています。ハワード・ヒューズ医学研究所(Howard
Hughes Medical Institute)をはじめ他の財団や研究機関もガイドラインを受け入れており、連邦機関と大学の研究施設のいずれにおいても、技術移転においてはこのガイドラインがきわめて標準的な手順書になりました。
―
博士のご覧になるところ、Bayh-Dole法制定以降25年ほどの間にNIHが得た最大の教訓は何でしょうか。
Dr. Rohrbaugh:
その道程は、当初考えていたほど簡単でも単純でもありませんでした。先ほど申し上げたように私たちは皆成熟し、知的財産を管理するための効果的な方法について多くの貴重な教訓を得てきました。つまり、賢く資金を使い、賢く投資し、産業界と柔軟に協力し、技術移転における一部の投資決定については市場のニーズに従い、確固たる研究基盤を維持し、その基盤と能力を保ってさらに研究を進めることです。
― 米国のバイオメディカル分野における産学連携が現在直面している課題は何かをお聞かせください。
Dr. Rohrbaugh:
研究者が企業とやり取りする際の複雑さと、大学において企業のスピンアウトがますます重視されるようになったことが課題です。つまり、株式を所有するかどうか、ベンチャー企業にどこまで関与するのかなどの決定に関わる問題です。ベンチャー企業と距離を置く姿勢を選択してその過程に関わることを避ける大学もあれば、ベンチャー企業の発展の支援、経営陣の人選、事業計画の立案、投資機会の発見などに深く関与する大学もあります。また、研究者が産業界に助言する方法が複雑な問題を生じさせます。技術移転が生み出す経済的利益を受け取ることと、大学の学術機関としての理念を守るということとの利益相反(conflict
of interest)や、大学の果たすべき適切な役割に関して問題が生じます。