産学連携を語る

バイオメディカル分野における技術移転 - 米国における経験と日本社会への
― ご存じのように、日本の大学は現在、知的財産に関する戦略と特許の移転の推進に注目しています。バイオメディカル分野における研究協力の促進という点で、日本が米国の経験から学ぶべき重要な点は何だとお思いになりますか。

Dr. Rohrbaugh:
産業界のニーズを理解することと、産業界との協力を柔軟に進めることが重要です。同時に、支障なく研究を続けられるようにすることも重要です。商業的に知的財産権へのアクセスが必要な場合にはライセンス、時には独占的ライセンスを与えることも可能ですが、その技術を研究目的で使用する権利を保持しておくことが重要です。これは、ライセンスを与える研究機関だけでなく、他の非営利・営利団体にも当てはまることです。独占的なライセンスを与え、その後の研究で競合しないように合意することは産業界での慣行かもしれませんが、ほとんどの学術研究機関ではそのような原則は一般的には受け入れられていません。NIHの例は、その両方が可能であることを示しています。商業目的の開発のために必要に応じて企業に独占的ライセンスを与え、一方で研究の学術的中核を保持する――産学両方の研究機関でさらに研究を進めるために使用されうるリサーチツールのライセンスを与えることができるのです。

― リサーチツール・ウェブでNIHは、日本をはじめ世界の研究者が利用できる情報量の拡大に向けて大きく前進しました。バイオメディカル分野の研究のグローバル化がさらに進み、日本自体がこの新たなグローバル環境に最も適切に対応するための戦略を立案しようとする場合、NIHの経験と博士ご自身の視点から、日本の研究者と政策担当者が考慮すべき最も重要な点は何だと助言されますか。

Dr. Rohrbaugh:
国際的な事業として捉えること、そして、全員が分かち合うことで全員が利益を得ると考えることが重要です。「すべての船を持ち上げる波」という表現を使う人もいます。この波が来た時にすべての船を持ち上げて欲しいと思います。それはリサーチツールのような情報やリソースをグローバルに共有できた時に実現するのです。一部の関係者だけがリサーチツールを共有し、他の関係者は共有しないということであれば、両者は離れて行き、リサーチツールの共有が全体的に縮小するというリスクがあります。商取引のグローバル化が進んだのと同じように、技術移転もますますグローバルに行われています。リソースを他の研究者に共有させる研究機関は、科学論文の発表と同じように提供したツールによって科学的知名度が上がり、価値を認められるようになります。研究機関がツールを共有させなかった場合、その研究機関の評価は、そのツールを使用した他の研究者がツールの提供者について言及したり、世界中の研究機関に対して提供してきたツールが評価される場合と比べて小さくなる危険性があります。

― どうもありがとうございました。

Dr. Rohrbaugh:
ありがとうございました。

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